
AI’s Eyes: No.13 日本は美しい
宝石鑑定士として仕事を始めて今年で16年目。遂に、満足できるものが出来た。自分では、最高傑作だと思っている。 この作品は、ハニカム(ハチの巣状)のブレスレットだ。ハチの巣模様は熟練職人が丹精こめて、ひとつひとつ丁寧に彫りあげた。歯車で動く腕時計のメカニズムのように、精緻で規...

AI’s Eyes: No.12 ボルドー色の後悔
9月2日(火) 快晴 JALの国際客室乗務員として、勤務し始めて4年目。親孝行のつもりで母を連れてローマへ行った。コンドッティ通りにあるブルガリ本店近くのエルメス。日本人販売員の女性に、「このケリー・バッグはいかがです? 今日、入ってきたばかりなんですよ」と唐突に言われた。...

AI’s Eyes: No.11 娘との約束
8月26日(金) 曇 今年の夏休み、娘と3つの約束をした。虎屋で宇治金時を食べること、ディズニーランド・ホテルに宿泊すること、そして、私の行きつけの美容院でヘアメイクしてもらうこと。 娘はまだ中学1年生だけれど、ママと楽しく付き合ってくれるのは今年で最後かもと、毎年、...

AI's Eyes: No.10 奈落の底
8月8日(金) 曇 歌舞伎にご招待してくれる美形の女友達がいる。いつも、有難いなぁと思いながら好意に甘えている。そして、歌舞伎座に足を運ぶたび、歌舞伎の長い伝統芸能に吸い込まれてしまう……。 私は変わり者のせいか、黒子に徹する人に物凄く感激する。中村七之助が四方からスポット...

AI’s Eyes: No.9 美しくて優しい日本の私
8月6日(水) 猛暑 岡山県倉敷市の大原美術館を訪れた。 世界に誇る逸品、エル・グレコの『受胎告知』をはじめ、モネ、マチス、ピカソのみならず、アンディ・ウォーホルなどのモダンアートから、河井寛次郎の焼き物まで、貯蔵品は圧巻。日曜日8時のEテレ番組、『日曜美術館』の10年分の...

AI’s Eyes: No.8 男前の美女
7月31日(木) 猛暑 夏にどうしても食べたくなるのが二つ。ウエスティン・ホテルの冷し担々麺と、虎やの宇治金時。 この宇治金時は、見た目がなんとも美しい。まず、緑が絶妙。アマゾンのジャングルを覆うエキゾチックな植物群。その植物の葉を全部集め、ワイン・グラス1杯に煮詰めたよう...

AI’s Eyes: No.7 心が揺れる…
7月29日(火) 猛暑 ダイアモンドが「sale」。そんな案内が届いて、この暑い中、いそいそと出掛けた。昔から、「sale」とか「saldi」という文字に弱い…。 saleといっても消費税分くらい安くなるだけ。でも、分母が大きいので消費税額も大きい。...

AI’s Eyes: No.6 蝉のオーケストラ
7月21日 (火) 梅雨明けの猛暑 四ッ谷駅からホテルニューオータニへ南下する道がソフィア通り。四年間通学した道なので、今通ると、レポートを出し遅れた思い出が蘇って、何とも甘く切なく懐かしい気分になる。 山手線を時計に見立てると、東京は3時、新宿が9時になる。ソフィア通りは...

AI’s Eyes: No.5 こんなところに葡萄畑?
7月17日(月) 晴れ 航空会社勤務の頃、人一倍、ワインに対する好奇心が旺盛で、少しでも時間があれば、いろいろなワイン畑を巡った。もちろん、美味しい食事とのマリアージュも楽しんだ。 世界各地で、いろんなワイナリーに感激したけれど、人生で一番ビックリしたのがここ。アメリカ西海...

AI’s Eyes: No.4 ラマダンの月
7月8日(月) 晴れ ジュエリー業界にいると、インド人とのお付き合いが欠かせない。 インドへ旅行した人なら容易に想像できるだろうが、彼らはとても商売上手。ビジネスの相手として非常にタフで、日本人の私は、インド人宝石商との交渉に毎回悩んでいる。...